「経済活動、経済の枠組みの外で、何かひとりを味わいたかったんです。貨物船はどのように動いているのか、船上生活とはどういうものなのか、港はどのように機能しているのか?普段消費する物資はどのうように届くのか?船はブラジル・マナウスのシバトン港を出発し、アマパー州にある滝まで一日がかりでした。そしてビトリアまでさらに2日かかりました。」
ドイツ人弁護士であるラファエル・ランデルさん(37歳)は2010年ブラジルアマゾンを貨物船に乗って旅をしました。
飛行機を使わず、あえて電車や船で旅行しその行程を楽しむ、そして目的地の文化をじっくり味わう。・・そんな「スロートラベル」「スローツーリズム」がヨーロッパでじわじわ浸透してきています。
スロートラベルは、スローフードで先陣を切るイタリアやドイツで最も受け入れられています。そして最近訪仏観光客が伸び悩むフランスも追随しています。
20世紀はテクノロジーが進展し、ベンジャミン・フランクリンに代表される合理性、利便性の時代でした。
合理的な経済活動にとって有益なもの、そうでないものが棲み分けられました。
しかし、その思想は社会に大きな禍根と矛盾をもたらしました。
人間の幸せにとって本当に有益なものどは何か?それは経済活動では無駄と思えるものの中にあるのかもしれません。
テクノロジー、利便性そして合理性の時代はゆっくり終焉を迎え
環境とツーリズムそして芸術によって与えられる理屈ではない何か・・・。
今、人々はその何かを求めて人生の旅を始めています。
参照:RFI http://br.rfi.fr/brasil/20190807-slow-travel-tendencia-para-viagens-lentas-atrai-cada-vez-mais