bela-vista-hotel-amp-spa-gallerypalace-81


イギリスのカリスマ投資家、ジェレミー・グランドハムさんは、


「 彼ら(アメリカ人)は2018年クリーンテクノロジーに対して
65億ドルの投資をしたが、これはIT系スタートアップへの
投資額のわずか15%に過ぎない」
と驚きを持って語っています。


一方、アメリカ人投資家達は、彼のことを裏切り者とみなしているほど、
彼への評価はアメリカとヨーロッパでは180度違うようです。


ジェレミーさんは自身の資産の98%を
低炭素への取り組みに捧げることを決めています。



アメリカとヨーロッパでは環境問題に対する考え方が
大きく違うようです。アメリカはヨーロッパの高福祉志向に対して、
伝統的に社会福祉に国家が介入することに忌避反応を示します。


この価値観の違いは一体どこからくるのだろうと考えると、
やはり宗教的バックボーンの違いに行き着くのではないかと
思うんですね。


4年前に投稿しました、現代ヨーロッパの宗教人口割合を調べてみた
をご覧いただければわかるのですが、ヨーロッパは理性中心主義です。
一方、アメリカは、(福音的)キリスト教中心主義がまだまだ残っています。
詳しくはこちらをご覧ください。


日本人にとってはヨーロッパの価値観は理解できると思います。
が、アメリカはなかなかわからないのではないでしょうか?



アメリカでは高福祉社会は社会主義的であると考えられています。
そして、社会主義とは共産主義に近いイデオロギーと見做されています。
共産主義の特徴はまさに理性中心主義、
つまり、無神論的な考え方になります。無神論的どころか、
はっきりと宗教はアヘンであるとして、神を否定するイデオロギーです。


ここが問題なのです。


そもそも、人間の生活を支えるのは、人間自身ではなく、
神だと真面目に信じているのがキリスト教、とりわけ福音派と言われる
キリスト教の考え方になります。この科学が発達した現代で
まだそんな風に考えているのかと愕然とするかもしれませんね。


こんなキリスト教について論ずるのはこの投稿の主旨に反しますので、
またの機会に書きたいと思いますし、「キリスト教的な見方」
というのはちょっと偉そうなんですが、当ブログでちょこちょこ
投稿しておりますのでよろしければご覧ください。


キリスト教の是非はともかくとして、
現実的にキリスト教は現代にも大きな影響力があるのは
認めざるおえないのではないでしょうか?


アメリカでも、福音的キリスト教はゆっくり衰退しているのも事実ですが、
まだまだ生活にその価値観は根付いているのも事実です。



だから、というわけで、社会福祉政策など不要である。というわけです。。
環境問題も、人間の生活を守るための問題意識ですから、
やはりアメリカ人にとって、胡散臭いんですよね。。


参照:ラジオ・フランス・インターナショナル
http://br.rfi.fr/economia/20190823-bilionario-legendario-de-wall-street-investe-toda-sua-fortuna-em-tecnologias-limpa