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昨日、IS(イスラム国)を背後で操る国々と旧約聖書でアメリカとロシアの関係が中東に於いて悪化し、アメリカのプレゼンスが著しく低下しているのではないかとし、イスラエルにおいても極めて深刻な問題であるとお伝えしました。なぜ深刻な問題なのでしょうか?


従来イスラエルは親米国家でありアメリカはイスラエル存立の大きな後ろ盾としてのパートナーです。一方ロシアとの関係はどうなのでしょうか?

イスラエルの人口800万人のうち新移民と言われる100万人は1980年代末以降、旧ソ連から移民してきた人なんです。ですから、ロシア語をしゃべるんですよ。ロシア文化を維持しています。そしてイスラエルのIT産業は、この人たちが中心になってやっているんです。(略)この人たちは、今でもロシアと緊密な関係を保っているので、制裁などということになったら、この100万人のロシア系ユダヤ人たちが「なにやっているんだっ」という騒ぎになるわけです。(佐藤優「インテリジェンスの教室」現代ビジネスより引用) 


つまり、ロシアとの関係が悪化しても今度は国内が不安定になってしまい、民主主義国家であるイスラエルでは政権運営にも影響が出てしまう。まさにジレンマに陥ってしまう訳です。ロシアは当然イスラエルの不安定化をも視野に入れて自国の存在感をしたたかに増してきているようです。

画像著作者:
Thomas Leuthard