
旧約聖書の士師記には今から3200〜3400年前の
イスラエルの歴史が記されています。
アビミレクはそのイスラエルの支配者の一人でした。
彼は兄弟が70人いましたがほぼ皆殺しにしました。
今で言う権力闘争でしょう。
この殺戮は後々尾を引くことになります。アビメレク
に敵対する勢力が現れ戦いを挑みました。
彼らはガアルという人を担ぎ、 アビメレクと戦いましたが
敗れ、ガアルを担いだ住民は地下室に逃げましたが、火で
焼かれ殺されました。
勢いアビメレクはテベツというところも占領し、火を放とう
としたその時、一人の女がひき臼の上石を投げつけると
アビメレクの頭蓋骨が砕かれ、結局死んでしまいました。
アビメレクにとって予想だにしなかった最期だったことでしょう。
新約聖書ヨハネの黙示録1章5節に、
地の王たちの支配者であるイエス・キリスト・・
とあります。またローマ人への手紙13章1節2節には、
人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威はすべて、神によって立てられているからです。したがって、権威に反抗する者は、神の定めに逆らうのです。逆らう者は自分の身にさばきを招きます。
アビメレクは暴君でした。しかし神によって立てられていました。アビメレクに反抗した住民は滅ぼされました。そしてまたアビメレクも神に支配されていました。彼の命も神の支配の中にあって、ひとりの名もなき女性に殺されるという信じられない最期を迎えたのです。まさに神によって殺されたとしか言えない最期でした。
良い支配者も悪い支配者も古今東西存在しています。しかし、彼らはすべて神の支配下にあって、その命は神によって管理されています。
16世期のドイツでマルティン・ルターによって、後の世界を大きく変えた宗教改革が実現しました。
しかしルターは教会内部の改革を進言したに過ぎませんでした。ルターの新しい価値観は人々を刺激し、政治的影響をも与えドイツ農民戦争が勃発しましたが、ルター自身はこの戦争に強く反対し当時のドイツ皇帝には決して反抗することはありませんでした。
18世期、フランスではロベス・ピエールらによってフランス革命が起こりました。彼の革命は次第に恐怖政治化しテルールと呼ばれ、それは今日のテロリズムの語源となりました。結局独裁者となった彼は弾圧され最終的に処刑されました。
暴君であっても自ら反抗せず、神の裁きに委ねていればいいのです。
神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神はすべてのことを働かせて益としてくださることを私たちは知っています。(ローマ人への手紙8章28節)