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 ボンジア!
    京都の小学生が大麻を吸引していたことが報じられ、麻薬の若年層への浸透がクローズアップされている。 

 イギリス・チェスター大学で開かれた中毒に関する学会で、宗教経験のある子供は思春期に薬物やアルコール依存に陥りにくいとする調査結果が発表された。宗教体験とは、単に信じるだけではなく、祈ったり、教会に通うなどの習慣があることだとしている。

 日本での薬物依存対策は、薬物を法的に規制し流通させなくさせたり、教育現場などでの薬物の危険性を啓蒙するなどの取組が一般的であるが、法的整備が追い付かなかったり、法律の目を掻い潜った取引をおこなったり、更には闇売買が行われたりしている。また啓蒙活動も今一つ効果の程は定かではない。薬物依存についての統計は厚生労働省からも公表されているものの、危険ドラッグなどのデータがなく、実際どこまで浸透しているかは未知数である。 
 麻薬には高揚感を与えるなど、人間の感情に訴える作用が強い。人間はこの高揚感や快楽になかなか勝てないのである。麻薬だけではない。暴飲暴食は健康に害を及ぼすと口を酸っぱくしても、ついついしてしまう。タバコもしかり。これは危険性の啓蒙という人間の理性に訴える啓蒙活動では否応にもしがたいことなのかもしれない。人間の理性の力の限界を物語っているようにも思える。 
 共産主義思想を広めたカールマルクスは「宗教はアヘンである。」として宗教の否定を試みた。これは彼が、宗教の力をよく知っていたことの裏返しでもある。宗教は麻薬のように人に大きな影響を与えるのである。現代社会、特に現代欧米社会は人間の理性をベースにして成り立っている社会である。(これについては 【改訂】現代ヨーロッパの宗教人口割合を調べてみたを参照頂きたい。その結果かどうかはわからないが、先程の厚生労働省統計にもあるように、欧米では大麻の生涯経験率は軒並み30~40%に上っている。このように欧米では薬物依存問題は日本とは比較にならないほど深刻であり。その中で発表された今回のイギリスでの調査結果は意義深い。
 欧米社会では少しづつ宗教が見直され始めている、それは先日表明されたドイツ・メルケル首相の見解にも色濃く反映されている。ヨーロッパはイスラム系難民の問題にも直面し、宗教がより日常化してきており、宗教の問題は宗教で解決しようという取組が静かに始まっている。このようなトピックもこの簡潔!ラテン新聞では取り上げていきたい。
 

チャオ !

画像:引用:GOSPELPRIME
https://noticias.gospelprime.com.br/pesquisa-religiao-jovens-alcoolismo/