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アートと政治を考えるにおいて、ひとつ格好の題材だと思えるイスラミックアートを考えてみたいと思います。


私見ですが、イスラム教というのは、 実に政治的な宗教だと思うからです。


政治権力というのは絶対です。徴税権という有無を言わさず行使される権力を持っているからです。


だから政治というのは、そもそも宗教的な存在なんですね。宗教というもの絶対性が必要だからです。



神についての教えだから。



だから宗教と政治は親和性が高く、現に中東諸国ではイスラム教は政治と深く密接に繋がっています。



さて、イスラミックアートです。



そもそもイスラミックアートという言葉が出てきたのは、20世紀初頭のヨーロッパなんだそうです。


最初はムスリムアートと呼ばれ始めました。それは、クリスチャンアートとの対比的な意味合いからなんだそうです。。クリスチャンアートとは文字通りクリスチャンが作った芸術で、必ずしも宗教的意図がない作品も含まれます。それと同じでイスラム圏の芸術作品にも宗教的意図が含まれていないものがあったようです。

その後ムハンマドの時代から18世紀まで、インドからスペインに渡る地域の作品を指して、結果的にイスラミックアートと呼ばれるようになっていきました。


しかし、20世紀初頭までは、ペルシャ芸術、アラブ芸術などと、人種差別的意味合いが含まれるニュアンスで呼ばれていたようです。


20世紀になるまで、イスラム圏というのは、後進地域という認識だったんですね。これは当然政治的経済的プレゼンスがヨーロッパに比べてなかったことの裏返しでしょう。


なぜ、その認識に変化が起こったのでしょうか?


それは次回に回します。。


参照: カローステ・グルベンキアン美術館ホームページ  https://gulbenkian.pt/museu/agenda/o-gosto-pela-arte-islamica/