
コロナ禍によって、世界経済は大きな打撃を受けています。
今年2020年の全世界の貿易額は11%マイナス
(世界経済見通し)と予想されています。
しかし、ブラジルの今年1〜4月の貿易収支はマイナス2%に
留まり、G20諸国では最も減少幅が少なくなっています。
因みに日本の今年3月の輸出総額はマイナス11.7%となり、
4月はまだ発表されていませんがおそらくこれ
以上の落ち込みになるのではないでしょうか。
しかし、驚くべきことにブラジルの今年4月の輸出総額は
前年比2.9%のプラスとなっています。5月13日のブログ
でも書きましたが、中国への牛肉輸出は2019年比で4.6%
増加の見込みとなっているなど、食料品や資源関連の輸出
はこのコロナ禍にあっても堅調であることが大きな理由です。
ここへ来て食料や資源などの一次産品に強みを持つブラジル
の存在感が強まっている様相です。ブラジル・ボルソナロ大統領は
「強靭で多様性のある経済関係の維持」を掲げ、欧米以外、特に
アジアへの輸出も強化しています。現在ブラジルの輸出の47.2%
がアジア向けとなっています。
マルコス・カラムル・ジ・パイヴァ前ブラジル中国大使は、
「我々は両国(アメリカ、中国)と良好な経済関係を構築していく
ことができる。中国国営企業は大変重要だ」との認識を示しており、
米中間貿易戦争に始まり、コロナによる関係悪化が懸念されているなか、
ブラジルの出方が米中にも影響を与えそうです。
参考:RFIブラジル
www.rfi.fr/br/mundo/20200514-brasil-registra-alta-de-exportações-para-a-china-em-meio-à-crise-da-covid-19