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【日本では報じられないアメリカ大統領選】本選挙でもトランプ候補が勝つ可能性

ハーバード神学校が、サウスカロライナ州共和党予備選後、神学修士でワシントンにあるホーリーシティー教会の牧師、リッチ・タファル氏に今回予備選についてインタビューした記事が投稿されていました。
アメリカ・サウスカロライナ州共和党予備選での出口調査によると、全有権者の72%が福音派クリスチャンで、そのうち33%がトランプ候補、27%がクルーズ候補、22%がルビオ候補に投票したものと見られます。
タファル牧師によると、福音派の人々の中絶反対や同性愛者問題などに対して共和党は何一つ満足のいく結果を出すことが出来ず、結果として福音派の中にも共和党主流派に対する不信感を増大させ、そして福音派の中でも既存政党の政策によって経済的ダメ―ジを受けた白人貧困層の多くが、トランプ候補への投票しているとのことです。そして福音派世論も、アメリカ一般世論と同じように信条や価値観よりも既存政党への不信感と経済問題の優先順位が高くなっている状況が現れているとして、本選挙でも、これらのニーズに合ったトランプ候補がヒラリー候補よりも優勢なのではないかとしています。
引用:ハーバード神学校
http://hds.harvard.edu/news/2016/02/22/trump-evangelicals-and-south-carolina
【日本では報じられないアメリカ大統領選】アメリカの福音派は一枚岩ではない。

アメリカの福音派(エヴァンジェリカル)というとティーパーティーのようなタカ派で中絶や同性婚に否定的な態度を示す人たちという認識がありますが、CNNに、「福音派」には政治姿勢に7つのパターンがあるとした記事が投稿されています。
伝統主義的福音派
依然としてアメリカ人はキリスト教の民であり、これからもそうあり続けるべきだと主張する。 タカ派で中絶や同性婚に否定的な態度を示す。大統領選ではテッド・クルーズ候補を支持する傾向。
メガチャーチに属する福音派
特に公に支持者を表明することはしないが、基本的な価値観を共有している有力候補を支持する堅実な姿勢を示す。マルコ・ルビオ氏の支持層。
起業家的牧師の教会に属する福音派
あまり神学に拘らず、テレビなどのメディアで宣教活動を行い教勢を伸ばすことを好む。テレビ映えする個性的で刺激的な候補を支持する傾向がある。トランプ氏の支持層
政教分離的な福音派
政治家が宗教色を強く出すことに否定的な考えを持つ。宗教色を表に出さないマルコ・ルビオ氏を支持する傾向。
ミレニアル世代の福音派
特に支持者は定まっていない。伝統主義的福音派に考えは近いが、多様な価値観に寛容。
リベラル的福音派
福音派クリスチャンのおよそ13%がこのタイプ。ジミー・カーター元大統領もこのタイプのクリスチャン。
リベラル派ともいわれる主流派クリスチャンとは違い、聖書は神の言葉であると信じている点で福音派に入る。
黒人プロテスタントクリスチャンの多くはこのタイプになる。民主党支持層
文化的福音派
普段は教会には行っていないが、聖書を受入れているタイプ。宗教的なものには無関心だが、ユダヤ人だからユダヤ教徒というタイプに感覚は近い。日本の一般的日本人が仏教徒という感覚に近い。トランプ氏の支持層
こう見ると、トランプ氏の支持層は福音派の中でも比較的宗教意識の弱い層であることがわかります。
引用:CNNアメリカ
http://edition.cnn.com/2016/01/22/politics/seven-types-of-evangelicals-and-the-primaries/
【アメリカ】BLMムーブメントを知っていますか?

2012年に殺害された黒人青年トレイボン・マーティン君の犯人が正当防衛で無罪となり、社会問題化したことを受け、活動を開始した人権運動です。 黒人の人権だけではなく、女性や性的マイノリティーの人権も主張し、アメリカで注目を集めています。
公式サイトでは、運動の歴史を紹介するページをOUR HISTORY ではなくOUR HERSTORYとしている拘り様にも目を見張るものがあります。サイトには、
黒人の貧困と黒人への虐殺は未だに日常的で、280万人もの黒人が収監され、家族に対する激しい暴行に耐える黒人女性も未だに存在し、黒人性的マイノリティーはゴミのように扱われ、 50万人もの黒人が未だに不法移民状態に置かれている
など、黒人が置かれている社会状況が記されています。フェイスブックフォロワーは12万人を超えています。因みに日本のSEALDsのフォロワーは約35000人ですから、或る程度その運動の広がりの大きさを想像出来ます。今後性的マイノリティーの問題では、既存のキリスト教会とも衝突が予想されています。
http://blacklivesmatter.com/
【日本では報じられないアメリカ大統領選】クリスチャンはなぜトランプを支持するのか

スーパーチューズデイも終わり、アメリカ大統領選徐々に候補も絞られていきます。民主党のサンダース候補はとうとう失速してしまいました。彼は民主社会主義者であり、ヨーロッパでは実に良識的とされる政治姿勢の持ち主ですが、今回のスーパーチューズデイでは、福音派が多いとされているアメリカ南部での予備選では予想通り失速しました。いったい福音派とは何なのでしょうか?
今回は、福音派クリスチャンとして、そしてアメリカ・バイオラ大学社会学教授ブラッド・クリスターソン氏の記事を参照しながら、福音派と大統領選について掘り下げております。トランプ支持の背景について、福音派ならではの角度で説明しております。
RELIGIONについては、そのRELIGIONを実際に信じている信者でないと説明出来ないところがあります。それは、RELIGIONは語源RELATIONが示す通り、関係すなわち「絆」だからです。自分の親のことを知っているのは、誰を差し置いても自分であり、また家族であるのと同じです。
是非御一読下さい。